重症心身障害児施設で必要な観察力や判断力

重症心身障害児施設とは、肢体不自由をはじめとする重度の身体障害に知的障害やてんかん、行動障害などを合併した子どもを対象とした施設である。適切な医療ケアをしつつ、生活支援や療育活動をしながら楽しく生活が送れるよう支援していくのが目的だ。
重症心身障害児は呼吸障害や摂食障害など二次障害を併発するリスクもあり、看護師は医師が行う人工呼吸器や気管切開、胃ろうなど治療ケアのサポート役を担う。また、呼吸管理や痰の吸引、与薬など、一人ひとりにあった看護および、食事介助や入浴介助、排せつ介助などもメインの仕事になる。

重症心身障害児施設で求められる看護師の資質は観察力や判断力だ。毎日バイタルチェックは行うが、突然発作が起こる可能性もある。体調不良を口に出して言えない子どもに代わり、顔色や機嫌などから体の状態を把握し、異変を察知した時はすぐに適切な対処を行わなければいけない。
どんな時もスムーズに判断できるよう、呼吸器や消化器はもちろん、皮膚症状まで幅広い知識を持っておく必要もある。

重症心身障害児施設で勤務するからこそ感じられるやりがいもある。
例えば幼少期から入所した患者は、年々成長していく姿を身近で見ることができる。ただ体が大きくなるだけではなく、日々の訓練などでできることが増えると、それが看護師にとっても喜びとなる。
また、充実した日々が過ごせるよう、運動会や遠足、お祭りなど季節ごとに様々なイベントを計画するのも、一般病棟では味わえない楽しい仕事だ。